久々のブログのエントリがこういう話題というのはどうかと思いますが、PC Watchでの
元麻布春男氏の記事が
このスレなどあちこちで話題になっているようなので、私の体験として一言。
まず「Intelから直接、自分の書いた記事について修正を求めるような圧力を受けたことがあるか」と聞かれれば、これは間違いなく「一度も無い」と断言できます。
むしろIntelは我々フリーライターに対して非常に良くしてくれてますよ。例えば他の企業では、新製品の発表会等がある際に編集部には案内を出してもライターに直接案内を送ってくるところはほとんどないのに対し(実際のところ日本AMDからも直接案内を受けたことは私は一度も無い)、Intelは新製品の発表会はもちろん定期的に行うプレスセミナーについてもきちんとライターに案内を送ってきてくれますし、少々意地悪な質問をしても広報さん経由で後できちんと返答が返ってきます。
例えば、昔PCWEBでやった
ワイヤレスUSBインタビューなんて、かなりIntelに意地悪な質問ばかりぶつけたので、後で何か言われるんじゃないかと思って内心びくびくものでしたが、結局何も言われませんでしたし。
ただ…、「編集部側の自主規制等で、Intelに関する記事の修正を求められたことがあるか」と聞かれると、これは
あると言わざるを得ません。実際私も、どこの媒体とは言えませんが
一度経験しましたし。(ただしその媒体の名誉のために言っておけば、その際は編集長との議論の末、結局当該記事は修正することなく掲載されてます。なお当時この件で編集部に対し「Intelから何か言われたのか」と確認したところ「特に何も言われてないが…」という回答でした)
とはいえ、これは現在のパソコン雑誌等の媒体が広告収入を主体として成り立っているという経営構造である以上、どうしようもないと思うんですよね。むしろIntelなんかはまだおとなしい方で、過去にはADSLの高速化競争華やかなりし頃、某誌で某キャリアの新サービスを取り上げた際に否定的な内容の記事を書いたところ、全面的な修正を余儀なくされたこともありましたから。
こちらも商売なのでそうやって飯を食わないことには生活が成り立たないですし、いくらライターが頑張っても編集部に丸ごと原稿をボツにされればおしまいなので、それよりはまだ広告主の意向を汲み取りつつ「わかるひとだけわかってくれ(=行間を読んでくれ)」と思って記事を書くこともあります。ただ、少なくとも「データの捏造はしない」ことだけは心がけてますが。
昔ならいざ知らず、最近は読者の方もそのへんの事情をある程度わかった上で行間を読むことに長けてきてますし、いわゆる「ブログジャーナリズム」に注目が集まるのもそういった「大手商業マスコミの限界」が見えてきたからだと思うんですよね。大手マスコミはむしろこれまで読者にあまり見せてこなかったそういう裏事情の存在を認めた上で、個人ブログではできない組織力・資金力が必要な取材等をうまく生かす方向に動かない限り、このままではどんどん信用を失っていくと思います。
…とここまで書いて、そういや昔似たようなことを日記で書いたなぁ、と思って過去の日記をひっくり返したら
出てきました。(ちなみにこのリンク先で参照している本田氏の記事は、現在
こちらに移動してます)昔も今もあまり事情は変わらないようで。