今日某求人サイトのリニューアルがらみの話で、「求人対象の事業所の地図を出すのに、Google Mapsへのリンクを張れるようにしたい」ってアイデアが出て、Googleの利用規約を調べてたら、なんか変なことになってるみたい。
結論から言えば、今の利用規約では、商用サイトでのGoogle Mapsの利用がかなり問題ある状態。(2008年10月6日現在)
まず現在のGoogle Mapsの利用規約(
英語版)では、
For business users, Google Maps is made available for your internal use only and may not be commercially redistributed, except that map data may be accessed and displayed by using the Google Maps API pursuant to the API terms and conditions.
って記載があって、これを文字通り訳すと「Google Maps APIを使ってアクセス・表示される地図データを除いては、商用サイトで再配布できない」となる。ただこの「再配布」ってのが具体的に何を指すのかが定義されてないのでグレーゾーン。
次に
日本語版利用規約になると、
本コンテンツを含む Google マップは、いかなる形態であっても、商用目的での利用、複製及び配布を行うことは出来ません。
って書かれちゃってて、「商用目的での利用」ができないと明記されてしまってる。こうなるとリンクだろうが何だろうが、それが商用目的だと不可になる可能性が高い。ただこの日本語版利用規約、上記の英語版における「except that map data...」以下の部分の訳がおかしいので(今の日本語版利用規約だと、商用でのGoogle Maps APIの利用も不可になると解釈できる)、あまり信用しないほうがいいかもしれないけど。
これがGoogle Maps APIの利用規約(
英語版)になると、「1.1 Description of Service」のところに
The API may be used only for services that are generally accessible to consumers without charge. Accordingly, You may not use the API for any service that requires a subscription or other restricted access, or for which a fee is charged.
って書いてあるだけなので、商用サイトでも無料でアクセス制限のないサイトなら利用可ってことになる。
日本語版でも特に「商用利用不可」って書いてあるところはないので(ただし前述の通り、Google Mapsの利用規約の方で「商用利用不可」って書かれてしまってるという問題はある)、おそらくは商用サイトでも大丈夫ってことになると思われ。
…しかし英語版の利用規約だときちんとGoogle全体・Google Maps・Google Maps APIのTerms of useがきれいに階層構造化されてるのに、日本語版になるとそれが急にぐだぐだになるのは、何とかして欲しいところ。Google StreetViewの問題もそうだけど、日本のGoogleの法務部門って実は結構やばい状態なんじゃなかろうかって気がしてきた。
※追記:過去の
日本語版のGoogle Maps利用規約では、「
ユーザーは、商業またはビジネス環境において、または商業もしくは事業目的でユーザー自身または第三者のために画像を使用することはできません。」という書き方になってたらしい。まあ言ってることは変わらないんだけど。